髪あげてるミワちゃんかわいい (『クリムゾン・ピーク』)

『クリムゾン・ピーク』観てきました。
デルトロ先生がゴシックホラーを撮ったぞ!キャストも好みだし宣伝ビジュアルもめちゃくちゃ美しいぞ楽しみ!!!と、半年はウキウキワクワクしながら、ついに観に行きました。(ホラーダメだけど『MAMA』と『パンズラビリンス』は見れたし…)

主人公はアメリカ人のご令嬢イーディス。彼女は幼い頃に母を亡くし、母の亡霊を見るようになった。母はただ「クリムゾンピークに気をつけろ」と謎めいた言葉を告げるだけで、それが一体何を意味するのかすら教えてはくれない。
メアリー・シェリーを敬愛するイーディスは、自身も小説家を目指し、出版社に度々原稿を持ち込むが「女の書いた小説なんて」と男社会の壁はまだまだ高い。そんな彼女の元へ、成功を夢見るイングランドの没落貴族(準子爵)トーマスとその姉ルシールがやってくる。仕事人としてのし上がったアメリカンな父を持つイーディスは、イングランド貴族であるトーマスを毛嫌いするが、自分の小説を褒められてコロッと恋に落ちてしまう。2人はパパンに隠れて逢瀬を重ね、また逢瀬にはなぜか姉も付いてくる。姉弟はどうも日光に弱く、そしてどうも金狙いのようだが恋するイーディスは盲目である。
直感で姉弟を怪しんだ父は探偵ハーマン(仮)に2人を探らせ秘密を握る。手遅れにならぬよう即刻姉弟に手切れ金を渡しイングランドに追い返すも、何者かによって撲殺される。がしかし、父の不審死は滑って転んで洗面台の角に頭をぶつけた事故死として処理され、唯一の肉親を失い悲しみにくれたイーディスはアメリカを捨て、トーマスについていくことを決意する。
しかしながら、嫁いだ先は天井の抜けたボロボロの幽霊屋敷だった…!!しかもそこに暮らす夫とその姉は実は人間ではなくヴァンパイアで…。毎日まるで餌のごとく姉弟に貪られ消耗していく中で、なんとか活路を見いだそうとするイーディス。トーマスの愛を信じればいいのか、それとも自分はただの金蔓なのか。本当の敵は、亡霊とは、クリムゾンピークとはなんなのか…。乞うご期待!!!


以上が映画の前半、アメリカ舞台の時点でわたしが思い描いていたあらすじでございます。デタラメ。途中までは真面目に書いてますけどね。
鑑賞前は完全に姉弟はゴーストかゾンビかその辺なんだと思っていました。ヴァンパイアかなと思ったのは、途中で服の袖とか日傘とかサングラスとか、日光を気にしていそうなカットが入ってたからです。あとは虫です。美しい蛾として育つ前に死んで蟻に食われる云々をルシールが説明するシーン。美しいイーディスも喰われる(物理)運命なのよという例え話なのかと。デルトロ先生、蛾すきだよね。MAMAとかパンズラビリンスでも観た気がします。

以下、全編観たストーリーへの感想。
・ゴシックホラーとは
・めっちゃ物理(殴り合い)やん
・トムヒのママになりたい
・ヤリ○ンはほんとに死ぬんですね!



ホラーって物理攻撃が効かないタイプの映画のこと言うんじゃないんですか?事件が人間の手による物理攻撃なものはサスペンスじゃないんですか?

  1. ホラーえいが【ホラー映画】
    • horror picture》ショック・恐怖・戦慄をねらった映画。スリラー映画・オカルト映画と重なりあう部分が多い。

またひとつ知識が正されました…。ナマ言ってすみませんでした…。

「ゴーストがメインじゃないのよ。ゴーストはただ、過去のメタファーとして現れるだけ」というイーディスの解説は、そのまま映画本編に適用されます。ボロ屋敷でイーディスが出会うゴーストたちは皆、姉弟(もしくは姉)に殺された女たち。彼女たちは夜な夜なイーディスに泣きつくだけで、それ以外の怪奇現象には一切関与しません。蛇口から赤い水が出るのは呪いじゃなくてサビのせいだし、虫が大量に死んでるのは土地柄のせいだし、屋敷がボロボロなのはお金がないせいだし、何より重要な「雪が真っ赤に染まるクリムゾンピーク」は粘土質の土のせいだし!なんて、なんて非超常現象的なの!!!
その分際立つのはルシールの怖さです。劇中ほぼ無表情を貫くルシール。実弟トーマスに異様な執着を見せるルシール。ジェシカ・チャスティンの意地悪顔ほんと怖い。美しいから無表情の威圧感がすごい。
ブラコンサイコパスかよ…とがっかりしなくもありませんでしたが怖い。あんまり簡単にサイコパスというのもどうかなと思ったのでテルミーウィキペディアとたずねてみたら、
その特徴として
と挙げられたので、まあつまりルシールのことですね!幼い頃良心に冷遇され酷い折檻を受けていたらしいルシールは、幼い弟トーマスをこの世でいちばん美しいものと見なし、弟の受ける折檻も代わりに受けるほど溺愛し、結果、近親相姦の共依存関係に陥ったよう。なんでトーマスがそこから抜け出せないのか、母を殺した(殺させた)罪悪感なのか愛なのか、そこのところの心理現象がよくわからないしイマイチ納得できない。
イーディスと出会うまでにトーマスは3人の女性と金策のために結婚し、その度ルシールに服毒させられ殺されている。毎日のお茶に毒が仕込まれているから飲むなとイーディスに伝えるほど、イーディスを愛した/ルシールにうんざりしたトーマスは、最後の最後までルシールを捨て切れません。このヘタレっぷり、不幸っぷり、ダメ男の優男っぷりがトム・ヒドルストンははまりすぎです。余談ですがセックスシーンのミワちゃんは美しさに輝いてたしトムヒはおしりがぷりっぷりで心打たれました。あのシーンのGIFをください。
姉弟の所業を知り、己も殺されると知ったイーディスは、助けに来てくれた幼馴染と共に逃げようとします。トーマスは2人に手を貸し、ルシールにも改心しようと説得を試みますが、ブチ切れたルシールに顔面を刺され死亡。ルシールはイーディスを追いかけ「あなたかわたし、どちらかが死ぬまでやめないわ」と斧で襲いかかるんですが、そのスピード感、腕力諸々の動きが異常。完全に人外の域。女同士の殴り合いには結局イーディスが勝利して話は終わるんですが、そもそもルシールここでイーディス殺しても生きていけなくない…?トーマスが死んだら死ぬしかなくない…?大人しく部屋の中で死んでこいよ…。

なんでホラーって女なんですかね。男がおかしくても元をたどると母親が狂ってたとか。デルトロ先生だと『MAMA』でも男は全く役に立たないし必要上いるけど基本フレームアウトだし。嫉妬は女のものだからかしら。
ホラーと聞くと人外パワーの超常現象による、理屈の通らない恐怖モノを想像するんですが、実はそんなこともないんですか。今作については完全に肉弾戦だしヒス女は怖いという感想。恐怖がルシールに集約されてたので、ゴーストもイーディスママは大層怖かったけどビックリ慣れできてしまった。というかデルトロ先生のホラーはファンタジックごまかしハッピーエンドなんだな。わたしの希望としてはイーディスは幼馴染くんと結婚するけどお腹にはトーマスの双子がいます。

それにしても映像美。さすがです。眼福眼福。

以上!ひと月ほど前のメモより!